ハングオフの2

こんにちはミーゴローです。

今日は私の地方では最高気温があまり上がりません。凍結防止剤もあいかわらず道路上に残っているでしょうからCBRに乗るのは微妙なところです。昨日の土曜日は乗らずじまいでした。
こういうときはPCXの出番なのですが、いつも思うのですがこのPCXというスクーター、乗っているときサスペンションがきっちり仕事をしているのが分かります。
この仕事というのは、乗り心地を良くするという方ではなく、タイヤの接地を安定させるという方の仕事です。これまで乗ってきたスクーターでは無かったことです。設計陣のセンスを感じます。

 

だから、PCXに毎日乗っているということで適度に練習になっていたのだと思います。しばらくぶりにCBRに乗っても首が痛い以外は特に違和感なく乗れてしまい、且つまたハイペースになってしまうのもそのためだと思います。

 

ハングオフ(スタイル)の2
私くらいの年齢になると、他人の目など意識しませんし、カッコよく見せようなどとは思いません。

この前、ワインディングのコーナーをまわっているとき、女の子の集団にスマホで写真を撮られてしまって面喰いました。

 

レプソルカラーでスポンサーのステッカーを貼りまくったマシンに、レーサーの格好そのままですから目立つのでしょう。ヘルメットを取ったらさぞかしがっかりだと思います。

「ええ!写真撮るの。そしたらもっとマシン寝かせよう。」などと思うのは若い頃の話。ハングオフはライディングの必然です。バンク角はバイクが決めます。

ハングオフスタイルはかつてハングオンスタイルともよばれ、私にとっての原点といえるものがあります。

 

「汚れた英雄」
大薮春彦原作、角川春樹監督の1982年公開の映画です。多分、今の若い人は全く知らない映画だと思います。角川春樹氏の初監督作品で賛否両論でした。

この時代はまだ二輪レースというものが一般のメディアにほとんど出ることの無かった時代です。私がこの映画を映画館で初めて観たときは衝撃でした。

 

オープニングのシーン、暗い部屋のような場所で草刈正雄演じる北野晶夫が固そうな皮ツナギの音をきしませてジッパーを上げます。そして、けだるそうな仕草でグローブとヘルメットをとりドアを開けます。
すると、明るい日差しとともに耳障りなオートバイの空ぶかし音が響き渡ります。一瞬、暴走族を連想しますが雰囲気が全く別のものであることに気づきます。そこは、サーキット場のパドック裏の広場でした。

 

これから、レースが始まるのです。係員の笛を合図にゲートが開かれて、主人公北野晶夫がピットロードでゼッケン62番のマシン、ヤマハTZ500を「押しがけ」します。エンジンが甲高い2サイクルサウンドを響かせ晶夫がバイクにまたがる瞬間画面が静止し、タイトル「汚れた英雄」が画面に現れて、ローズマリー・バトラーの歌声「I can see you burning with desire.」が聞こえてきます。(へえ、レースではこういう乗り方をするのか。)

 

つぎのシーン「The way you kiss me.You never miss me,do you?」でオンボード映像に切り替わりピットロードのダンロップブリッジをくぐります。このシーンのスピード感にはびっくりしました。(おお、速い。)

続けてパイロンをかすめて本コースに合流、第2コーナーに進入すると画面が大きく傾きます。(なんで、こんなにバイク傾けるの。)

 

この時代、GoProなどがあるはずもなく、おそらく16ミリフィルムの小型カメラをタンクに固定しているのでしょうが、キメの細かい精緻な映像で、細かく針が振動する水温計、常に正確に1万回転付近をキープする回転計、その上のカウルスクリーン越しに流れるサーキットの映像に圧倒されます。

 

第2コーナーの次の裏ストレート、左右の風景がぶっ飛んでいきます。すぐに「馬の背コーナー」が高速で迫ってきます。(おお、飛び出す)と感じますが、バイクは大きく右にバンクして抜けてゆきます。さらに、つぎつぎと迫るコーナーをフルバンクで抜けてゆきヘアピンコーナーのアプローチ、「ライディングハイ。ライディングハイ。」の部分、回転計の針が6千回転あたりまで下がり、速度が落ちているのが分かります。

そして最終コーナー立ち上がりのホームストレートを駆け上がり、再び超高速の光景が訪れ上りの頂上を越える瞬間カメラが切り替わります。

 

場面がスターティンググリッドに切り替わり、北野晶夫をトップにレーサーマシンの一団がコースを一回りして帰ってきました。(今のはレースじゃなかったのか。他のマシンも後ろを走っていたのか。)

 

当時の私はレースをまったく知りませんでした。このオープニングのシーン、ピットロードからスタートしてコースを1周しホームストレートに戻ってくるまでおよそ1分15秒、レーシングスピードなら1分丁度くらいですから、相当ペースは遅かったわけですが、バイクというのは何と危険な乗り物だろうと思いました。

 

この映画のレースシーン、ヤマハレーシングや有志のボランティアが集まり、本格的なデモレースをやったそうで、転倒シーンも幾つかは本当に転倒してしまったシーンを使っているそうです。

私は2度も映画館に行きました。15,000円くらいだったか今では考えられない程高価なVHSビデオも買って、擦り切れる程観ました。

何ゆえか、それは主人公草刈正雄のスタントで映画の中を走っていた平忠彦さんの華麗なハングオンに魅せられたからです。

 

 

rider image

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この映画をきっかけに、初めてサーキットに足を運び’83鈴鹿ビック2&4レースを観戦しました。すると何と、映画と同じカラーリングのマシンが走っているではありませんか。ゼッケンこそ62番ではなく6番ですが驚きました。そして、平忠彦選手の実際の走りを目にすることになりました。雨の中ファステストラップを出しながら走り、中盤からじりじり追い上げて4位でフィニッシュしました。実際に速いレーサーだったのです。

この年、平さんはマシンをTZ500からワークスマシンYZR500に乗り継ぎ全日本チャンピオンになってしまいました。

 

ブルーレイを買い、液晶大画面で見ると、映画館の迫力が蘇ります。
今のモトGPレースと見比べてもバンク角こそ浅いですが遅いとは感じません。それより、細いタイヤでよく走るものだなと思います。今のタイヤとグリップ力など性能は比較にはなりません。

そだからこそ、ハングオンの意味が分かるのです。


 

今日もこのブログをお読みくださり、ありがとうございました。

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