パワーストーンはただの石!

瞳の鬱(うつ)日記

 最近、わたしアリババで中国から貴石買っていると書きました。意外にかの国の「もの作り」の能力にはなかなかの物を感じます。

 品質には、特に注意していますが、いまのところ、なかなかのものです。ルビー・サファイヤなどのコランダム。キュービックジルコニアなどです。

 かなり慎重に品質をチェックしていますが、いまのところ、日本企業やヨーロッパ産などに比べても問題はありません。驚きました。

 パワーストーンブームの悪影響・水晶は要注意

 ただしですね、パワーストーンブームの影響なんですが、水晶玉などは酷いです。日本の専門店で販売しているものも、ほとんどは中国産だと思われるし、ハッキリ言ってむちゃくちゃです。

 要注意です。

 最近見かけることの多い内部にレインボーのあるもの。あれ、完全に何か加工しています。天然水晶のクラックで、あんな変に鮮やかすぎる虹はまず出ない。(角度を工夫すると多少は虹が観えることは観えます。多少は天然水晶でも虹の屈折は出ます。)

 詳しく調べていませんが、元の玉自体も水晶なのかどうか分かりません。調べる気も起こりません。

 練り水晶・溶錬水晶と称するガラス玉から造っている可能性もあるかも。まあ、これは、逆にコストがかかるかな。

 アリババ観てると楽しいのだけれど、明らかによくない物も多い。ボーリング玉みたいな真っ赤なまだらの水晶玉とかも載ってるんですが、大体、水晶にルビーみたいな深紅はあり得ないよ。何か、他の鉱物の混ぜこぜなんだろうけど、ほんとにまあ、中国人っていろいろ造るわ。変に関心します。

 で、今回の記事はケンケン先生も言っておられるように、社会問題化しつつあるパワーストーンブームの影響の悪影響を書きます。その中での特に水晶玉に関してです。

 今日の記事は画像が重いです。ご了承下さい。

本物の天然水晶玉

これは、わたしの所有する水晶玉

 これは、わたしの所有する水晶玉です。大きさおよそ4.5cm弱くらい。(ノギス持ってません。定規で測りました。)(*ロゴを入れまくっているのは、写真を偽広告に流用させないためです。

 正真正銘の天然物の本物の水晶玉です。練り水晶・溶錬水晶(いずれもガラス)などではありません。十年以上前に5万円か6万円で買いました。日本の専門店の店頭でです。当時はパワーストーンブームという言葉もありませんでした。

 この水晶玉、グレードというか、品質は、インクルージョン(内包物)等ほとんど皆無で完全透明。いわゆる鑑定書でグレードAAAとかAAAAとかAがいくらでもつくレベル。まあ、水晶の鑑定書なんて、販売店が勝手につくっているものですから全く信用できないのですが。水晶の信用できる鑑定機関はいまのところ無いと思います。(ダイヤモンドなどの宝石鑑定書も各団体が独自に作成したもの。信用のあるものは少ない。)

 ご注意頂きたいのは、このクラスの大きさ4cm、5cm級の全く透明のグレードの高い本物の天然水晶玉なら、現在は10万円、20万円当たり前だと思って下さい。それも、ネットでは絶対にもう販売していないと思っていいです。なるべく、信用できそうな百貨店に入っているようなお店で買うしかないです。(それでも、危ないんですけど。)

 もし、この大きさ、或いはもっと大きいもので綺麗なものは、練り水晶・溶錬水晶(いずれもガラス)である可能性が高いです。百貨店内のお店でも。

 このわたしの所有する水晶玉、実際に鑑定してみますよ。

 さて、過去記事で一度書きましたが、わたしの水晶玉は本物なのか。

 よくダイヤモンドでも言われる方法ですが、熱伝導の違いで氷の上にのっけると、ガラスより早く溶ける。とか、ガラスより冷たく感じるとかいう方法がありますが、条件によりけっこう結果がばらついたり、感覚的なところが多いのであてになりません。

 なので確実な方法は、まず、チェック方法のオーソドックスなもの。『髪の毛のような細い線が2重に見えるか。』なんですが、水晶の結晶構造による『複屈折現象』によるチェックです。

 結果はクリアです。ハッキリ平行に二重に見えます。ただし、角度とかいろいろ変えて観る必要があります。サイズが小さい玉はこの点など難しいといえます。

 しかし最初は、なかなか二重に見える角度が見つからなくて焦りました。

 次にもっと確実な方法『偏光フィルターでの厳重チェック』

 まあ、個人的にはこれが一番だと思います。

偏光フィルターの板を2枚用意。簡単な装置を作る。

 10cmくらいの正方形の偏光フィルターの板(東急ハンズでたまに売ってます。無い人は3D映画の立体眼鏡を分解して下さい。同じものです。)を、写真のように厚紙とテープなどで簡単な装置を作ります。専門の計測器が販売されていますが、これの方が大玉を観察するのにいいです。専門家用のは、光源が白熱球なので色が観察しずらくてよくないんです。

偏光フィルターの板の間に水晶玉を設置する。必ず台に乗せること。転がって落ちると大変。

 *例によって、悪質業者に画像を流用されないようにロゴを入れまくっています。

古いPCの蛍光灯バックライトの液晶モニター画面で白色面を点灯させる。画像ソフトで白色面を作ります。

 PCなどのモニター画面で、白色の均一光源を作成します。これは、LED液晶より、古い形式の蛍光灯バックライトの液晶モニター画面の方が分かりやすいです。蛍光灯はLEDより色相波長域が広いんです。

 モニター画面の前の、しっかりとした台の上などにこの『偏光フィルターの板の装置』を設置します。玉が転がって落ちたりしないように、平らなしっかりとした台を用意して下さい。

 偏光フィルターの板は簡単に言えば、細かい細い縦のスリットが入った板です。これを90度で直交するように配置すると、光の波の性質により、重なった部分は光が通れず暗くなります。

 3D映画の立体眼鏡に応用されています。

 さて、この暗い部分に本物の水晶玉を置くと、次の図のように見えます。

虹色の光の玉が現れます。

 *例によって、悪質業者に画像に画像を流用されないようにロゴを入れまくっています。

 角度を調整する必要がありますが、写真のように四隅から黒い影が出てきて、中心部分に光の玉が現れます。この光の玉は渦巻き状の場合もあります。

 プロ用の「偏光フィルターチェック器」や、「光源」によっては、この『光球』は見えずらかったりしますが、決定的なのは、水晶では黒い影はお互い決して接触しなくて、真ん中は開いていて空間になっています。これが重要。ガラスは四隅からの黒い影がくっついてしまって十字架になってしまいます。

 こういった『光球』現象が確認できたなら、本物の水晶です。

 今は品薄、高価格

 ネットではやたら「天然~」といってますが、まず全部嘘です。ネットで天然の水晶玉4cm、5cm級以上で完全透明なものは今現在まずありません。多少、内包物、傷、クラックがあるものがたまにありますが、それでも非常に高価です。(もし、本物の水晶ならば、逆に、内包物・含有物などがあることで、本物の可能性が高くなります。が、不自然なレインボーがあるものは要注意。危険です。)

 完全透明で大きめなものは、「練り水晶・溶錬水晶(いずれもガラス)」だと思って間違いありません。

 どうしても、完全透明に近い高品質の本物の水晶玉が欲しければ、ネットは絶対に駄目です。信用できそうなお店の店頭で、髪の毛チェックをするか(実際やる人多いです。)、店員に「練り水晶・溶錬水晶(いずれもガラス)」でないことを確認してから購入するべきです。

 それでも、最初に書いたように、現在、本物の水晶玉は非常に高価です。4cm、5cm級ならば10万円、20万円は覚悟しなくてはなりません。

 人工・合成水晶

 だったら、人工水晶、合成水晶で造ればいいではないか、ということなんですが、あることはあります。ただし今現在、店頭に出回っているものは、数珠などの小さなものだけです。(依然、やっぱり天然水晶のものも当然多いです。)

 小さいものしか造れないんです。

 人工・合成水晶はルビー、サファイヤ、などのコランダムと違い、製造に数ヶ月の長い期間と大きな設備を要します。しかも、大玉が造れるような大きな結晶はなかなか造れません。

 だから、「練り水晶・溶錬水晶(いずれもガラス)」が幅を利かせているわけです。

 わたし、実は国内の人工水晶の製造メーカーに問い合わせたんです。

 国内の人口水晶はすべて工業用です。各種IC回路等、水晶のもつ「圧電性」の特性を利用した用途に用いられ、現代社会のハイテク産業の根幹に無くてはならないものです。

 従って、大玉をつくるような大きな結晶は製造していなくて、大きくても厚みが5cmくらいが限界。だから、5cm以上の玉は造れない理屈。しかも、製造上結晶面の境界がある場合もあって、実際には5cmも無理。人工・合成水晶玉を造ったとしても多分半分くらいの玉。

 しかし、電子部品に使われるくらいだから、結晶の精度はすさまじい。美しいんですよ。とにかく。メーカーのウェブサイト観たら。

 店頭の鉱物コーナーにあるような、中国製の割れた棒とかと大違い。

 で、わたし、「一個、小売りして下さい。」とあるメーカーにお願いしたんですよ。

 そしたら、『社内で検討しましたが、やはり原則BtoB向けの製品という事で「個人様向けには販売できない」との結論となりました。 ご希望に添えず誠に申し訳ございません。』とのご返答でした。

 が、何と!

 『販促用に少数試作の手のひらくらいのサンプルでよければ、お譲りいたします。』と言って下さって、送料まで負担して送って下さいました。

 わたしが、現在画家で、かつ教育関係者(元教師、学会は体調不良で活動中断中なんだけれど。)だということからの特別なご配慮とのことでした。 おお、感激!感謝!

 (観て下さったのか分からないけど、叔父の章二郎検索した結果ほど凄くはないけれど、ネットでわたしの名前検索したら、結構画家の業績みたいなのが少しだけれど出ているではないですか。おお、わたしも画家の端くれなのか、光栄だわ。)

これが日本製人工水晶。サンプルだけど245gもある。
タップして拡大してみて。凄いよ。
この、信じられない透明感。質感。美しさ。

 美しい。美しすぎる。届いた箱を開けて手に取ったとき、あまりの美しさにしばし言葉を失った。

 これが日本の技術力だと思い知った。

 完全なる二酸化ケイ素の結晶体。一切の不純物も許さない。

(品質グレード:インクルージョン 密度 Ⅰ、エッチチャンネル 密度 Ⅰa、α値 C)意味は、専門的で、わたしでも完全には理解できない。要は(フォトリゾグラフ工程:『光放射で照射し、露光させ、回路などのパターンを生成するなどの用途』)ということで、グレードが相当上位の製品らしいです。

 協力:ファインクリスタル株式会社(日本製鋼所)

 *注意:この例は、わたし固有のルート、所属、職業上への特別、特例ということです。決して誰にでも無償供与するとかいったことはあり得ません。絶対にこの企業会社に不用意に連絡、要求などしないで下さい。迷惑がかかります。業務妨害となります。

 まとめ

 今、まともな水晶玉は、市場には無いということです。決してパワーストーンブームに踊らされないようにして下さい。水晶は、決して運命を好転させたり、浄化したりするような特別なパワーをもっているわけではありません。過去記事でも書きましたが、地球の地殻は、ほとんどが水晶と同じ石英で覆われています。いわば地球は大きな水晶玉です。水晶玉に、もし特別なパワーがあるのならば、戦争、災害、紛争その他の不幸が起こるはずもありません。

 水晶はただ、その美しさを愛して下さい。東急ハンズなどまともなお店で、本物の水晶クラスター(加工されていない)とかを根気強く探して下さい。ネットの着色などの加工された中国製はやめときましょう。繰り返しますが、今、ネット(国内でも)でまともな水晶玉・水晶物はまずありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

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