不定期連載小説5
弟 その子は、早速粘土に取りついた。瞳が何か教える前に、もうすぐに自分で粘土と取り組み始めた。 練り台は、少し高すぎるのか、自分で勝手に手ごろな木箱を持ってきて、その上に乗っかって粘土をひたすらいじり始めた。 最・・・
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弟 その子は、早速粘土に取りついた。瞳が何か教える前に、もうすぐに自分で粘土と取り組み始めた。 練り台は、少し高すぎるのか、自分で勝手に手ごろな木箱を持ってきて、その上に乗っかって粘土をひたすらいじり始めた。 最・・・
夫の面影 「君のご亭主。寛さんは本当にやさしいいい人だったんだ。」 兄貴は、言った。 そう、わたしの夫、寛さんは、やさしい人だった。瞳は富山時代の二人のささやかで、あまりにも短かった結婚生活を思い出していた。 ・・・
土練り 陶器を扱うこの店は、今や「何でも屋」の様相。 戦後復興の活況。毎日けっこう生活道具を求めてお客がやってくる。瞳も一人前の使用人としてお客接待にも慣れてきた。忙しい日々だった。 「あら、初めて見る顔だね。新・・・
兄さん、との再会だった。 まさか、あの電話の相手が兄さんだったとは。 お互い全く気付かなかった。 今、こうして実際に再会しても、わたしが姪の瞳だとはさすがの兄貴でも気が付かない様子だ。 そうだった、叔父・つまり・・・
かけおち 気にかけたこともなかったが、あらためてみてみると、大きな店構えだった。 不思議と懐かしいとかいった感情は湧かない。まるで、昨日までここにいたかのようだ。瞳は今、十数年かぶりに自分の生まれ育った生家の前にいた・・・
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