奈良教育大学・附属小学校事案について書きます
こんばんわ。瞳です。
最近、わたしの母校、奈良教育大学で騒ぎが起こっています。皆様もニュースなど報道でお耳にされている方も多いと思います。
最初、わたしですら、この案件、何のことか事態が理解できなかったのですが、どうやら、附属小学校で指導内容に問題があり、ほとんど全員の現職教員が出向というかたちで出て行くことになったということらしいです。
この事態に保護者の皆様にも大変な動揺と混乱をもたらしているようです。
これ、結論、あっさり、最初に言いますよ。
もちろん、推測なんですが、(わたし、この2年、諸般の事情で指導教授と会えないので、詳細は直接聞くことはできないんですが。)
文科省からの、圧力です。
実際には、奈良教育委員会と、現学長による一連の処分というかたちになっていますが、当然裏があります。教育界というのは、完全に上意下達の世界です。上には逆らえません。
最近の国立大学をめぐる状況
奈良教育大学は、最近、奈良女子大学と事実上の組織合併をしています。これ、どういうことかというと、少子化により、大学の存続力の維持のためです。
遠からず、大阪教育大学もこれに加わると思います。(この案自体は何十年来からの昔からあったのですが、最近、大学側の危機感により、実際に動き出しました。)
国立大学というのは、現在、2004年4月から「国立大学法人」として法人化されました。
文科省ホームページによれば、
『より個性豊かな魅力のある大学になっていけるようにするために、国の組織から独立した「国立大学法人」にすることとしたわけです。』ということです。
これにより、何が変わったのか、一般には分かりにくいのですが、要は、「各大学で独立採算性を持て。」ということです。
つまり、研究成果、それに伴う費用、授業料など自分たちで段取りをつけろ。ということです。
私事ですが、最近の国立大学の授業料の高さに仰天しました。わたしの時代では、わたしの場合、学費免除もありましたから、事実上、学費負担というものはほとんど感じませんでした。私学の従兄弟に随分とうらやましがられました。
さらにこの法人化、一見、合理的で、生産的なように見えますが、実際には、ウィキペディアなどが指摘するように、『政府の統制は格段に強まっていると指摘される。国立大学法人法第三条において、「国は、この法律の運用に当たっては、国立大学及び大学共同利用機関における教育研究の特性に常に配慮しなければならない」とされているが、この条項は事実上、有名無実にされていると言ってよい。』(ウィキペディアより)
わたしの母校、教育大学の場合
教授からよく聞くのですが、教員就職率を文科省は強く評価対象、指標としています。
これは全くナンセンスです。もはや、常識のこととして、少子高齢化により、児童数は確実に減少していきます。これは、事前に予測できていることです。つまり、教育大学は、事実上、消滅の運命ということになってしまいます。
現実には、今回のような大学の合併を通して小規模化していくのは確実です。
教育大学というのは、その特性上、各分野の研究が行われています。
二年前に聞いた話なのですが、奈良という土地の特性上。考古学関連で強い非常に高い研究実績を出した研究科教室がありました。担当教授は仏像研究の世界的権威です。そこの卒業・修了学生の教員就職がその年出なかったことにより、文科省の評価は事実上のゼロとなりました。
もはや、研究機関としての大学としての存在自体が危うい状況です。
奈良教育大学附属小学校とは
さて、今回問題があったとされる奈良教育大学附属小学校について書きます。一般に誤解されているようですが、いわゆる『お受験』の世界とは全く異なる性質のものです。
入学選抜はなんと、抽選なんです。
しかも、教育大学附属という特性上。授業内容は常に挑戦的ともいえる革新的なものを常に追求しています。
行事、特に運動会にしても、ほぼ単なる競技会で、一般の特に大阪河内地区の運動会のような、子ども虐待ともいえる行事のための行事などではありません。(特大ピラミッドや超高タワーなど、死者まで出る始末。児童、子どもの育成どころか本末転倒。教師の見栄や、地元有力者の圧力、その他諸々の呪縛による。)
さらに教諭の給与は異常とも言えるほど低いにもかかわらず、教師は優秀です。
この学校に入学するために、一家揃って、奈良教育大学所在地の高畑町の賃貸住宅に引っ越してくるご家族もいらっしゃいます。この周辺の好ましい環境の住宅地の家賃は、一戸建て賃貸なら余裕で15万円以上です。(今現在。)
この附属小学校から、奈良教育大学附属中学校に進んでいく子もいます。というかほとんどそういうルートなんですが、この附属中学校も、いわゆる中学受験の進学校とはことなり、生徒は多彩です。一応、入学試験は課されますが、特に、超難関とかではないようです(偏差値現在57くらいかな)。
しかし、併設高校が無いのです。これは弱点なんですが、奈良高校・畝傍高等学校など難関の公立高校、東大寺学園・西大和学園高等学校などの難関私立高校へ多数進学しています。けっこう東大進学者もいるみたいです。
ヤフーニュース『奈良教育大附属小の教育実践を「不適切」とすれば、全国の前向きな教員や学校を萎縮させることになる』(前屋毅・フリージャーナリスト・ヤフーニュース 3/6(水) 7:10)
にあるように、今回、指導要領に従っていないとか、授業時数が不足しているとか、ほとんど完全に、『言いがかり』です。前から附属小学校は授業の研究機関としての任務上、独自のカリキュラムは言うまでもなく必然です。今頃何事?(何を突然、理不尽なとんちんかん言いだすのか?)という感じ。ずうっと昔、わたしが大学に在学していたときからこんな校風でしたよ。何でいまさら、というのが正直なところ。
まあ、想像ですが、奈良教育大学の教授陣というのは、気骨が強い先生ばかりです。おそらく、文科省の天下りを蹴ったとか、裏事情、いろいろあったんだろうな、と容易に想像がつきます。ただし、これ、今のところわたしの想像ですよ。
こんど、教授に会う機会があれば、そのところの裏事情、本当の所聞いてみます。