エイリアンの問題点の2

瞳の独り言

こんにちわ。ブログみぃごろーです。

昨日の続き、本題の映画「エイリアン」シリーズについて。今日は少し書きます。

昨年公開の『エイリアン:コヴェナント』(リドリー・スコット監督)をWOWOWで観ました。たいていの場合、公開からすぐにWOWOWで放送されるということは、興行がこけたということです。

で、あまり期待はしていませんでしたが、やはりもひとつの内容なんですね。

なんでなのか。何が足りないのか。

まあ、第一作の「エイリアン」(リドリー・スコット監督)の完成度を越えることができない、ということでしょう。

2作目『エイリアン2』(ジェームズ・キャメロン監督)からすでに劣化は始まっています。

つまり、2作目からギーガーの世界から外れてしまったということです。

ギーガーの絵の中に入る

第一作目の「エイリアン」が成功したのは、ギーガー自身が映画制作に深く関わったからに他なりません。

ウィキペディアによれば、彼の仕事ぶりは非常に熱心で妥協を許さず、他の映画製作関係からは異常者扱いされるほどでした。しかし、その成果は、彼の絵画作品を完全に現実世界の三次元として再現させることに成功しています。

映画は、ノストロモ号が未知の惑星に導かれて惑星上に降り立ったときから、完全にギーガーの世界になります。

この映画前半部分がこの映画の中心部分であり、映画すべてのベースになるといえます。

前日譚『プロメテウス』

第一作目「エイリアン」の前日譚『プロメテウス』に、我々が期待したのは、「エイリアン」で描かれていたギーガーの世界の続きを観ることだったのだと思います。少なくとも、私は、あのスペースジョッキーと呼ばれる巨大宇宙人の正体や、宇宙船の詳細をもっと観れることを期待していました。「エイリアン」では、あまり良く見えなかったあの宇宙船の中をもっともっと見てみたいと思いました。

結果、リドリー・スコット監督にも関わらず、評判はもひとつであり、かつ、私の期待も中途半端な感じでした。

しかしまあ、あの巨大な宇宙人の正体や、宇宙船が詳細に描かれていたのはよかったとは思います。

『エイリアン:コヴェナント』

前日譚『プロメテウス』の続編『エイリアン:コヴェナント』はさらに酷くなっています。

『プロメテウス』のラスト、主人公のショウ博士とアンドロイドのデヴィッドが旅立った先、巨人たちの惑星に、我々は興味深深だったわけです。一体どんな世界なのか。それは、想像を超えたものでなくてはなりません。ありきたりなものであってはならないのです。

今まであらゆるSF映画で観てきたありきたりの異星の世界ではダメなんです。

はっきりいってしまえば、ギーガーの世界でなくてはならないのです。

たとえば一作目「エイリアン」に出てきた地下の洞窟。卵のある場所からずっと先に見えていた洞窟の奥の曲がった先。

私は最初、このシーンを見たとき、あの先はどうなっているのだろう。観てみたいと思いました。

リドリー・スコットなら其の辺り、当然分かっているだろう。と思いたいところでしたが、なんとありきたりの世界だったことか。

台本書きから交代

そもそも、一作目以降は話が最初から見えているんですね。これがつまらない。

『エイリアン:コヴェナント』なんて、最初から結末が分かってしまう。台本の本書きから変えなきゃだめですよ。

科学的考証の問題

話がすこし変わります。「空想科学読本」というのが一時期、流行りました。ウルトラマンなどSFで科学的におかしい部分を取り上げているのですが、まあ、これは現代の科学ではおかしいというだけの話で、解釈次第でどうにでも説明のつくはなしでした。

しかし、この「エイリアン」シリーズでは、終始気になってしょうがない問題があるのです。

エイリアンはどうしてあんな短時間で巨大化できるのか。

これは絶対に許せない科学的・物理的矛盾なのです。

そもそも、胸部から飛び出た段階以降、一体何を食べて体を大きくするのでしょうかね。量子論的矛盾です。

無から有は生じません。エイリアン本体や、巣の構成物質が何であるかは別として、物質を構成する元素は一体どこから調達するのでしょうか。私はどうもこの点、2作目以降、鼻についてしようがありません。

秀作の一作目では、エイリアンは、宇宙船内部の空気から、必要元素を固定する能力を持っている。という解釈を無理やり持ってくることもできます。ある種の細菌が行う「窒素固定」です。

しかし、2作目以降はやりすぎです。

銃で殺せるのになんで防弾ガラスをぶち破る

2作目でエイリアンは、装甲車の防弾ガラスをぶち破りました。『エイリアン:コヴェナント』でも、おそらく防弾ガラスだと思われるものを、頭突きでぶち破っています。

そんな石頭なら、銃弾で頭部を破壊することができるのでしょうか。2作目では、ヒックス伍長がショットガンでエイリアンの頭部を破壊しています。これは矛盾です。

『プロメテウス』以降の問題点

未知の惑星に降り立つとき、ましてその惑星に植物以上の存在が確認できる場合、DNAを持つウィルスや、単細胞生物以上の菌類が存在しているということであり、いくら大気成分が呼吸可能だったとしても、宇宙服無しで歩き回るなんて中学レベルの「理科」からやり直しです。

当然未知のウィルスや菌類がわんさかいるはずです。そして人類はそれらへの免疫能力を一切もっていません。即ち、その事実は、それらの全てが病原性をもっていると考えるべきです。

だから、エイリアンシリーズはまず、台本書きから変えましょう。

きりが無いのでここまで。

今日もこのブログをお読みくださり、ありがとうございました。

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