飛行機プラモの長いおはなし・大晦日特集号

 こんにちわ。ブログみぃごろーです。今日は、バイクとはあまり関係無い飛行機のお話しです。今日、大晦日は大黒さんの誕生日です。で、むかしの思い出を少し。

 年末年始ともなれば、クリスマスプレゼントやらお年玉などで昔はプラモデルで楽しんだものでした。子ども時代。まあ、子どもですから速攻で組み立てて出来上がり。わーいわーい、と遊んでいられるわけです。私の幼なじみに地主の大金持ちがおりまして、この子がプラモデル作りが実に上手。ちゃんとプラカラーで塗装する。それもスプレーだからとても綺麗。まるで、模型店のショーケースに飾ってあるような出来。

 我々庶民の家ではとても真似できません。当時レベルカラーという塗料で筆塗りでベタベタ塗って大満足。小学時代の思い出です。

 私はなぜか航空機が好きで、それもムスタング。百貨店のケースに飾ってある完成品は1/24スケールの大きなものでバンダイの製品でした。それをうっとりして眺めていたのです。このバンダイのムスタングは、箱絵がとてもかっこいい。

 ヨーロッパ戦線で機銃を発射していて薬きょうが翼下からぱらぱら落ちているシーン。第375戦闘中隊 第361航空群所属の有名な塗装機です。サイドナンバーからE2Sとも呼ばれますが、一番模型の箱表紙に登場している機体だと思います。多くは青色の迷彩塗装で表現されていますが、どうやら実機はオリーブドラブという濃い緑色だったようです。これとそのバックには55thの有名なギラー少佐機の機体も描かれています。確か、大阪天王寺の近鉄百貨店にはE2Sの機体の完成品。大阪梅田の阪急百貨店にはギラー少佐の機体の完成品が飾られていて、とても迫力。飽きずに眺めておりました。

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有名な塗装機E2S

(マイクロソフト・フライトシミュレーターⅩアクセラレーション,P51D Warbirdsim Little Friends2,texture by Dave Quincey, Warbirdsim and John Terrell repainted )
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これまた有名なギラー少佐乗機

 このバンダイ製品とは別に、当時ハセガワから1/32スケールのムスタングも発売されておりました。この箱絵も薄青のE2Sでこれまたかっこいい。値段は1000円だったので、小学生でもなんとか買える値段。でこのハセガワのムスタングを作っていました。まあ、懐かしい思い出です。

 で大学院を出て、することが無かった頃、久々プラモデルなどと思いました。そして記憶にある素晴らしいムスタングを造ろうと、ヤオフクでむかし懐かしい当時のバンダイ1/24のムスタングを入手しました。

 キットを開けていろいろ観てみると、ハセガワ模型ではインテリアグリーンとして特別な調合を指定していた機体の内部色は、単にレベルカラーの「機体内部色」を指定していて「なあーんだ、そうだったの。」という感じ。というのは、小学生にはハセガワの指定するインテリアグリーンなんてとてもできなかったので、百貨店のショーケースにある完成品を観て、これがインテリアグリーンなのか、とか興味津々で見入っていたのです。

 さらに、驚くべきことにこのキット。モデリング(形状)が出鱈目。あまりに出鱈目。機体表面のリベットや外板分割も出鱈目。ああ、なんという幻滅。思い出はいつも、美しすぎるのです。

 で、今度はハセガワの1/32ムスタングを古いプラモデル専門店で探し出してみると、うーん、これもどうかな。という感じ。機体形状は当時航空機のハセガワといわれていただけあって、まあまあか、なんですが、リベットが全部凸

 ムスタングはゼロ戦の後に設計されただけあって、リベットは当然フラット形状の空気抵抗の少ないタイプが正解。だから凸リベットというのは受け入れがたい。

それで現行品でいいのは無いかといろいろ各メーカー探しました。でも時代は1/48が主流となっていてこれぞというのが無い。でも何とか当時の量感あふれる機体が欲しい。

放浪の時期 飛行機でどこかに行きたい

 当時、お先真っ暗状態で、大黒さんのライブが唯一の心の支えでした。大黒さんのアルバム「O」が出た頃。このアルバムの中の曲「さよならって・・・」を聞くと何故か、ムスタングでたそがれの空をさまよっている映像が、頭に浮かんでくるのです。

P51D E2S02
(マイクロソフト・フライトシミュレーターⅩアクセラレーション,P51D Warbirdsim Little Friends2,texture by Dave Quincey, Warbirdsim and John Terrell repainted )

 このムスタングが画像のカラーリングだったり、ギラー少佐のカラーリングだったりときどき入れ替わるのですが、まあこんな画像のイメージ。

ウィングクラブ・ミュージアムモデル

 で、いろいろ現行のキットを探し回ったんですが、これというのが無い。というか大型キットは輸入物でどんな感じなのか分からない。

 しかたがないので、タミヤの1/48ムスタングが無難だろうとこれを購入して作り始めました。箱絵はE2Sやギラー少佐機ではないけれども、横側にE2Sのグリーンの塗装図が載っている。ということは、デカール(シール)は入っているわけだ。E2Sはできる。というわけです。

 そんな折、雑誌「航空ファン」の裏表紙に、ウィングクラブというデスクトップモデルを制作する会社の広告が載っていました。ミュージアムモデルという1/18スケールという大型の精密模型で、零式艦上戦闘機52型の写真が掲載されていました。とにかく、美しい。超精密モデルでいわゆるデスクトップモデルではなくて塗装済み完成品として制作しているとのことです。

 大黒さんのライブの折、東京青山の骨董通りにあるウィングクラブに行ってみました。そして、おり良く零戦21型とムスタングの両方が置いてあってそれを観ることができました。

 まあ、とにかく精密なこと、大きいこと、塗装が完璧なことなどに圧倒されました。ウェザリングという汚し塗装もごくごく控えめです。これが頭に刷り込まれました。

 で、あの美しいミュージアムのように造ろうとしたものだから、タミヤの1/48ムスタングはなかなか完成しません。とことんエアブラシで丁寧丁寧に仕上げますからきりが無い。カラーは思いいれのある濃いブルーで仕上げます。で、1年くらいかけてようやく完成。途中何度もやり直しや失敗があって、一時はもう完成しないのではないか、というくらい難行苦行だったんです。

 意外にプラモデル作りはこんな感じで、とても「日曜はのんびりプラモでも」、なんてものではありません。すくなくとも、雑誌に出てくるようなマニアの作品というのは、それはそれは大変な時間と労力が注がれているのです。それが写真のムスタング。

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 この青色のモクモク塗装がなんともいえなくて好きなんです。ハセガワ模型の1/32ムスタングの初期の箱絵のイメージが、まさにこの色。こんな感じ。そして、子どもの頃見た、近鉄百貨店のバンダイ1/24ムスタングの完成展示品もこの色。これが欲しかった。ただし、もうすこし大きいサイズ。

 アメリカのムスタングのレストア機にこのE2S塗装をしている機体があって、やはりブルー系が多いです。こんな色で塗ると戦闘機というイメージではありませんが、それがまたいいのでしょう。

 トランペッターの登場

 さて、昭和の時期とは異なり、1/48スケールが主流だった時代、中国の新興メーカーが市場に颯爽と名乗りを上げました。CADをふるに使い、ネットで機体の情報を集めて1/24スケールの航空機のプラモデルを次々と発表し、世界を驚かせました。

 出来のほうはデータの正確性や、完成度に難があるにせよ、悪くはなくてなかなかのものでした。当時、食玩具のおまけは中国が製造していることが多くて、今とは違い、丁寧な手作業でよく出来ていて、中国は世界のサンタクロース工場的な存在でもありました。

 大型模型の復活

 そのトランペッターの功績は、なんといっても大型模型の復活に貢献したことにあると思います。日本メーカーも1/32スケールの製品を再び製品化するようになったのです。

 タミヤ模型もその情報収集能力を駆使して、零式艦上戦闘機52型を発売しました。実機を徹底的に調査したといわれる機体は、そのフォルムやディテール、表面のパネルラインやリベットのひとつひとつまで正確に再現されました。

 造るのはやはり大変

 でもなんですが、やはり、航空機プラモデルというのは造るのが本当に大変。

 新製品は組み立てやすくはなっています。私はこの零式艦上戦闘機52型を半年ほどで完成することが出来ました。しかし、それでも、半年はかかります。

 で、タミヤがすごいのは、プラモデルの塗装済み完成品の販売を始めたことなのです。

 プラモデルを丁寧に完成させると、あのウィングクラブのミュージアムモデル並みの完成度になります。ミュージアムモデルの価格はおよそ80万円以上だったと思います。

 はたして、どのような製品になるのか。

 数年前に1/32スケールのムスタングがタミヤから発売されました。でも、もう造るエネルギーはありません。

 でも、塗装済み完成品が販売されていました。で、今年頑張った自分へのクリスマスプレゼント。

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 写真のムスタングを買いました。タミヤ純正ショーケースと合わせて約5万円です。かつてと違い、製造は中国ではなくて、アジアのフィリピン製になります。最近は、東南アジアの方が丁寧な仕上がりです。まったく職人芸です。エアーブラシはわたしよりうまい。ただし、緑の矢印の部分、ディテールアップをしています。排気管の外板パネルはジュラルミンではなくてステンレス鋼なのでその修正。主翼付け根のパネルは色味の違う合金。主脚カバー裏側には、鋼板製の板の部分があって、レストア機ではメッキ処理されているのでそれを再現。主脚のインナーチューブをアルミ箔で光沢仕上げにしておく。などですが、この機体、第375戦闘中隊、第361航空群所属 とは別なのだけれどもE2Sのオリーブドラブバージョンに似ている。この雰囲気、ウィングクラブのミュージアムモデルで見たムスタングにそっくり。量感もばっちり。さすが1/32スケール。ただし、置き場所に悩みます。

 きょうもこのブログをお読みくださり、ありがとうございました。

来年もよろしくお願い申し上げます。

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