日本が空母を持つの2

こんにちわ。ミーゴローです。

今日は夜中から強い雨が降っています。気温は高めでかなり暖かいようです。

さて、中国がゆさぶりをかけているようです。それで、昨日の記事でご紹介した「ダンシング・ウィズ・トムキャット」夏見正隆著・朝日文庫を読むと面白いという話の続きです。

f14

(マイクロソフトフライトシミュレーターⅩアクセラレーション・(C)Northrop Grumman・

F-14D for FSX:Acceleration by Dino Cattaneo)

画像のトムキャットはD型で胴体に日の丸、垂直尾翼に旭日旗という塗装が施されています。アメリカ海軍vf-111・(第111戦闘機隊)のF14Aで実在しました。

小説の中のトムキャットはF14Aではなくて、エンジン強化型のF14Dです。塗装は航空自衛隊のグレー塗装に日の丸というイーグルに準じたものです。いずれも航空ファンにとっては日の丸がついたトムキャットというのは夢のような存在といえます。

かつて、ファントムの次期主力戦闘機の選考において候補には挙がっていました。結果的には当初からマグダネル・ダグラス社F15イーグルの優位が変わることはありませんでした。しかし、小説の中で日の丸をつけた自衛隊のトムキャットが実現しました。

日本の海上自衛隊がアングルドデッキの航空母艦を保有する

さて、小説「ダンシング・ウィズ・トムキャット」では尖閣諸島周辺などへの中国の脅威から、日本も海上自衛隊の護衛艦「出雲」にF35Bを搭載させることになります。尖閣諸島へは沖縄那覇基地からF15Jイーグルがスクランブル発進しても25分以上かかるそうです。そのための防衛力強化ということです。そして、F35Bをロッキード・マーチン社から受領してF35BJとして運用するまでの空白を埋めるため、退役した米空母USSキティホークを急遽アメリカから譲り受け改修し、アングルドデッキの空母を導入することになります。そして、その艦載機としてノースロップ・グラマン社にある組み立てライン途中の在庫F14Dの胴体部分その他を、三菱重工でライセンス生産してAF14DJトムキャットとして運用することになります。

アングルドデッキの航空母艦を保有するというのは、実はとんでもないことでこの辺り相当無理があるのですがそこが面白い。現代空母の三種の神器といわれるものに、1、スティームカタパルト(航空機発射装置)、2、アレスティング・ワイヤー(着艦制動装置)、3、アングルドデッキ(斜め着艦用甲板)があります。その他諸説に光学着艦誘導システムを入れる場合もあります。

これらの技術は相当に高度なもので、現在実用化に成功して運用しているのはアメリカだけだといえます。他は、アメリカの中古空母を払い下げて使用しているブラジルなどでしょうか。

あの旧ソ連でもこのカタパルトなどは実用化できなかったのです。代わりにスキージャンプ方式と呼ばれるシステムを導入していますが、この方式は艦載機の搭載装備、燃料などに大きな制限がかかります。

そのアングルドデッキの空母を保有するというのなら、なにもわざわざ「出雲」にF35Bを乗せなくてもいいのであって、代わりに海軍用のF35Cを導入すればいいという話になります。

アメリカ海軍のFA18E/Fスーパーホーネットの次期主力戦闘機もF35Cなのです。つまり、第5世代戦闘機でもカタパルトや着艦ワイヤーを使った方が何かと搭載重量の上で有利なわけですね。

まあこれは、トムキャットを飛ばすための舞台造りなのです。

トムキャットは今でも強い

小説ではそのトムキャットが尖閣諸島付近で国籍不明機相手に空戦機動をするわけです。現在アメリカではトムキャットは全て退役してしまいました。しかし、そのトムキャットが退役した第4世代戦闘機とは思えない活躍をするのです。

実際、エンジン強力型のF14Dは大型戦闘機にも関わらず、小型のF16Cファイティングファルコンと互角の旋回性能を持つということらしいのであながち荒唐無稽というわけでもないのです。

さすがにFA18Cホーネットには機動性ではかなわないということらしいですが、低高度で水平旋回に持ち込むと可変翼の優位性を生かして勝つこともできるそうです。

さらに現在主力のF15イーグルには、模擬空戦で何度も勝っていますから戦闘力は今現在でもかなりなものだといえそうです。

「対戦勃発」トム・クランシー著では、トムキャットの24機編隊が中国の戦闘機60機を一瞬で全滅させるシーンがありますが、冷戦時代の申し子ゆえんの有り余るパワーです。ステルスとは真逆の長大射程の超強力索敵レーダーと大型空対空ミサイル。これらの能力は中間飛翔のテポドンなどの迎撃に使えるのではと思ってしまいます。やはり、それでも退役させられたのは維持費などのコストがかさむためなのでしょう。

小説では可変翼を使った特殊なマニューバ(空戦機動)がふんだんに登場し、国籍不明機を翻弄します。痛快で面白いです。

今日もこのブログをお読みくださり、ありがとうございました。

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