大玉水晶

瞳の鬱(うつ)日記

 おはようございます。瞳です。今日はちょいネタです。

 実はですね。今、わたしの手元に直径7cm少しの水晶の玉があるんですよ。

 このところ、パワーストーン問題とか、それに関連して水晶玉詐欺とか書いてますが、水晶玉は要注意と書いてます。 

 詐欺が本当に多いんですよ。ヤフオクとかの大手でも。

 まあ、基本は日本のちゃんとした検査機関の「宝石鑑別書」が付属されているかで判断するのが安全です。(まあ、上位3検査機関とまではいかなくても、よく聞く名前の日本の検査機関なら一応信用できるかな。)

 よく似た言葉に「宝石鑑定書」というのがありますが、これは、ダイヤモンドだけにあるそうです。

 ダイヤモンドのグレードまで検査・表記されています。(これ、大変な技術を要します。)

 対して、「宝石鑑別書」は、宝石が本物であるかどうかの保証となります。グレードの鑑定はありませんが、内包物、色味等の記述があり、参考になります。水晶玉の場合、天然かどうかまで記述している場合もあります。これは、相当念入りに検査しないと分かりません。

 まあ、つまり販売店のAAAとかは、AAAAAとかいうグレード評価は勝手につけているけっこういい加減なものらしいです。

 それでいくと、ヤフオクとかラクマとかに出品されているものでも、「宝石鑑別書」の内容写真の無いものは、論外で危険だということです。過去記事にあるように、商品写真は信用できません。

 さらに、「宝石鑑別書」が付いていても、検査項目結果が3ページ目にあって、写真で検査結果が分からないものもは要注意です。

左端が7cmの水晶玉。右側二つの4cm玉と比較すると、その巨大さに驚きます。ほとんどわたし魔女。

 この写真なんですよ。直径7cmというと、野球の公式球の(直径72.9〜74.8mm)とほとんど同じ。

野球の公式試合球の硬球

 

 これ天然水晶だった。信じられない。

 この玉には一応ちゃんとした「宝石鑑別書」が付いていまして、拡大検査項目では、「特に認めず。」とあり、含有物等の無いクリーンということらしい。

 さらにこの「宝石鑑別書」の個別番号を辿っていくと、販売場所は何と東急ハンズだということらしい。

 東急ハンズは一応、個人的には信用できる店だと判断しています。極端なまがい物は置いていません。(でも練り水晶や、加工玉は置いてあったりもするけど、値段は相応。)

 アンモライト(宝石化したアンモナイトの化石)など、高価で珍しく、かつ相当なクォリティのものなども、けっこう置いているので、ハンズなら大丈夫かな、と思いました。

 でも、しかし、水晶玉の7cm級なんて、普通ならへたしたら100万円越えですよ。しかも、内包物無しとなると、一般に言うAAAグレードどころかAAAAAグレードです。(けっこう、水晶玉のグレード評価はいい加減。目視で内包物無しならAAAということになるそうです。)

 ネットを見回しても、AAAグレードとある7cm級、「宝石鑑別書」付きで、安くて40万円。しかも、「宝石鑑別書」には拡大検査項目で、「特有の構造を認む。」とあります。つまり、インクルージョン等があるということです。

 ということは、(ああ、この東急ハンズの水晶玉は人工結晶水晶だな。だから安いのか。)と思いまして、思い切って購入を決意。

 で、届きました。

 やはりでかい、重いので驚きます。

 早速、軽く洗ってから検査開始。(洗うときは、決してこすってはいけません。研磨時の研磨剤粒子の残留が、少なからず必ずあります。古いものでも。)

 複屈折はクリアー。まあ、一応とりあえず一安心。最近わたし疑心暗鬼。よかった。結晶構造を確認できた。

 次は、偏光チェック。綺麗な同心円の光輪を確認。水晶で間違いなし。

 さらに次は、円偏光板で人工結晶であることを確認しようとしました。

 そしたら、(え!何で?)。左巻きなんですよ。光輪が。つまり、人工結晶では無い可能性が高い。

 (一般に、工業用人工水晶は右巻きに統一されている。)

 この大きさだと、多分、人工結晶だとしてもロシア製だから、もしかしたら、左巻きの結晶も製造したのかも、とも思いますが(左巻きの工業用人工水晶も少数ながら製造されたらしい。)、しかし表面の状態から天然らしい。わずかに天然っぽい模様がうっすら。

 まあ、後で念入りに丁寧に洗浄したら消えたんですが。汚れだったらしい。この時も、流水にさらし洗いで、決してこすりません。

 天然でこの大きさ、この品質でこの値段は、東急ハンズでも・・・。信じられない。

 この玉の「宝石鑑別書」各検査項目 の、拡大検査項目には「特に認めず(クリーン)」だと確かに書いてある。しかし何かあるのかも、と、グリーンレーザーで徹底内部チェック。

 すると、針の先くらいの点状の内包物がちらほら点在するのを確認。(ああ、やっぱりね。)なんですが、実は、この点状の内包物は、日本製最高品質の人工結晶水晶でもちらほらあるんです。わたし、先日、ファインクリスタル株式会社様から無償で譲っていただいた結晶ブロックでもチェックしてみたんですよ。そしたら、同じような内包物が結構ちらほらあるので驚きました。水晶の構造上の宿命みたいなものなんですね。

 わたし、実は、ロシア製の巨大水晶ブロック(大体おおよその大きさ25cm*15cm*8cm・重さ 数キログラム。品質・透明度はかなりいい。種結晶の結晶境界面も見えない。)も持っていまして、こちらもチェック。そしたらやっぱり点状の内包物はあるんですね。

 つまり、わたしの手元にあるこの大水晶玉。かなりいいものらしい。さすが東急ハンズ。なんて言ってる場合じゃない。

 蛇足ですが、例の詐欺グループの元ネタの「風流ストーンズ」様の人工結晶水晶なんですが、ちゃんと本物のショップから現物を購入された方の話によると、内部にインクルージョンらしきものがある、とのことでした。これ、おそらく、インクルージョンではなくて、中国製人工結晶水晶特有の種結晶の境界面だと思います。

 なかなか、クリーンな水晶の大玉に巡り合うのは難しいようです。人工結晶水晶玉ですらこの有様です。

 結論

 「水晶玉は、やっぱりネットはやめておけ。」です。「宝石鑑別書」有とあっても。鑑定結果が見えないように撮影されていたり、とにかく信用できる業者さんが少ない。

 今回、わたしはメルカリでした。実はここも、決して安全とはいえません。しかし今回は、出品者の方が個人で、偶然、出品された翌日に私がそれを発見。最初は、(ウソ!あり得ないわ。こんなの。)だったんだけれど、ちゃんと「宝石鑑別書」を入念にチェックして調べたら、元の出所(販売店)が判明。多分、この出品者の方の一代前くらいの方の頃の購入だと思います。写真も正真正銘らしい。信用できる。と判断。しかし、値段が安すぎるので、実際手に取るまでは不安でした。今でも信じられない。

 以前、詐欺に騙されたもの64mmより、さらに大きい70mmオーバーを入手できた。

 この水晶、わたしのところへ来てくれたのかな。

 

 

 

 

 

 

 

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