中国艦載機による航空自衛隊機へのレーダー照射について!これ、ロックオンよ、完全な攻撃行為よ。

成海瞳の鬱(うつ)日記

 まず最初にですね、言いたいこと。日本のメディア関係者というのは、本当に軍事に疎い。

 ずうっと前なんですけど、奈良航空自衛隊の記念式典で、ブルーインパルスのT4が3機編隊で奈良市上空を通過しまして、これが爆音がけっこう凄かったらしくて、住民から苦情が各所に殺到したんですけど、その記事で、ブルーインパルスのT4のことを、F2戦闘機と新聞等が報道していたわけです。

 ブルーインパルスのT4は練習機の特別塗装機であって、F2は戦闘機です。全然別物ですし、戦闘機というのは基本2機が一単位で行動しますから、大戦中のゼロ戦みたいに3機編隊はまず無い。一体どうやったら間違えるのかね。そんなことも知らないのか記者連中というのは。だから、危険な中東に呑気に出かけて、クラスター爆弾の不発弾を土産にと拾って爆発させるわけだわ。と当時思ったもんです。

 中国機によるレーダー照射という表現

 で、これまた、的外れな表現なんです。しかし、これどうも今回は、事の重大性を分かっていて意図的にこういった表現をマスメディアは用いているようです。

 遼寧から発艦したとされるロシアのSU33のコピー機J-11Bが、自衛隊のF15Jに対してレーダー照射した。とのことですが、これ、『ロックオン』です。れっきとした戦闘行為です。ミサイルの発射前の段階です。

 完全に戦闘行為です。

 レーダー照射なんてものは、四六時中、日本、中国、ロシア、アメリカその他はお互い各航空機に対して監視のためにしているわけですし、さらに民間の航空管制もレーダーを常に全ての航空機に照射して管理しているわけです。したがって、今回の事件の、レーダー照射と称するものは、中国機搭載の武器システムである火器管制用レーダーによる『ロックオン』、攻撃行為です。レーダー照射という表現は明らかに不適切でおかしいです。

 でですね、今回、マスメディアはこのことを理解していたはずです。というのは、以前に、韓国によって『韓国海軍レーダー照射問題』(かんこくかいぐんレーダーしょうしゃもんだい)という事件がありまして、2018年(平成30年)12月20日15時頃、能登半島沖の日本海において韓国海軍の駆逐艦「広開土大王」(クァンゲト・デワン、DDH-971)が海上自衛隊のP-1哨戒機に対し、攻撃を意図する火器管制レーダー(射撃指揮システムで使用されるレーダー)を照射したとされる事件があります。これは、世界中から戦闘行為であると非難され、大問題になりました。(ウィキペディアより概要引用)

 したがって、現代の認識では少なくともロックオンは攻撃を意図する、あるいは攻撃行為であるとの認識は、メディアにも認識されているはずです。

 あの朝日新聞ですら、朝日新聞ネット版『レーダー照射とは 空自元幹部「火器管制用使用はロックオンを意味」牧野愛博2025年12月7日 13時10分』と報道しています。

 交戦規程(こうせんきてい、Rules of Engagement・ROEと表記)

 このROEとは、要は「どういった状況であれば、反撃攻撃をしてもよいか。」ということなんですけど、今回の中国機によるロックオンを、もし、米軍機にやったならば、ただちに反撃される可能性があります。アメリカのROEでは、ロックオンは「敵対的意図」と見なされ反撃が許可されています。ロックオンはミサイルを発射するぞ、と言っているわけですから。

 今回の事件は、それほど重大な事件だということです。

 映画『トップガンマーヴェリック』でコヨーテがGロックで失神したときにときに、意識を取り戻させるためにマーヴェリックがコヨーテをロックオンしました。前作の『トップガン』のオープニングシーンでも、マーヴェリックの僚機のクーガーのF14がミグに背後につかれてロックオンされたとき、コックピットで警告音がけたたましくピーピー鳴っていたと思いますが、非常事態なのがよく分かります。これ、敵機がロックオンしているぞ、とパイロットに警告しているわけで、敵機がミサイルを発射したら機種にもよりますが、けたたましい鳥の鳴き声みたいな警告に変わるわけで、大変な緊張状態なわけです。

 航空自衛隊のF15Jでは、どういった警告音が出るのかは知りませんが、操縦席では非常事態状態だったということです。

 『自衛隊:部隊行動基準(ぶたいこうどうきじゅん)
2006年 防衛庁(現在の防衛省)はROEを改定し、自衛隊法第95条に定められた「武器等の防護のための武器の使用」を根拠として、武器の使用を明確に任務とすることを決定した。これにより、自衛隊員が使用すべきときにためらわずに武器を用いることができるようになり、かつ、現場の自衛官が余計な政治的判断を迫られずに済むようになると期待されている。』(ウィキペディアより引用)

 中国機は、今回ミサイルを撃つつもりはなく、脅しだったのでしょうが、戦争とはふとしたきっかけがトリガーになり得ます。

 エスカレートが危惧されます。

元気だった頃の瞳。この日本を、美しい北の大地を侵略から守りましょう。

 

 

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