パワーストーンブームの影響

瞳の鬱(うつ)日記

 おはようございます。瞳です。

 このところ、わたし宝石のこととかよく書いてますが。パワーストーンブームの影響について、気になること書きます。

 大阪、東京などの百貨店内の東急ハンズなどでは、もうこの鉱物コーナーは縮小されていて、代わりにパワーストーンの店舗が百貨店などにも入っています。

 奈良などの地方都市にも、鉱物を扱う店があって、(よくまあ、つぶれないでやっていけるものだ。多分、引退した人が趣味でやっているんだろう。)とか思っていたのだけれど、ふと気づいたら、さびれていない都会の商店街などでは、けっこう見かけるんですよね。

 大阪のミナミの繁華街とかにもありまして、(何だろう、この現象。)とか思っていたのだけれど、ケンケンテレビで、毎回ケンケン先生が動画の最後に『パワーストーンはただの石。』と言っていて、(ああ、これブームだったのね。)と今更ながら、最近ブームがあること知りました。

 わたしは、主に水晶とかもともと集めていたので、よくお店で、安くて綺麗なの無いかなとか見ていました。

 でも、最近のは、どう見ても、これ、ぼったくりだろ。という感じのお店も多いです。

 水晶のいいところは、安くて綺麗な大きな結晶があることです。でも、最近、値段が高すぎる。いくらなんでも、こんなの1万円以上なんておかしいわ。というのも多いです。

 ブームの影響だったんですね。

 水晶は実はパワーストーン

 実はですね。これ、事実なんですよ。ある意味。

 科学的には、という意味です。別に運勢を好転させたり、家を浄化したりとか、という意味ではありません。

 水晶、つまり二酸化ケイ素の結晶体は『圧電物質』なんです。

 簡単にいうと、水晶は条件下により、弱い電磁波を発したりしています。この性質を利用しているのがクォーツ時計などです。

 『圧電効果(あつでんこうか 英: piezoelectric effect)とは、物質(特に水晶や特定のセラミックス)に圧力(力)を加えると、圧力に比例した分極(表面電荷)が現れる現象。また、逆に電界を印加すると物質が変形する現象は逆圧電効果と言う。』(ウィキペディアより)

 これに関して、面白いエピソードをご紹介します。

 わたしの知り合いの小学校教師がいるのですが、理科の実験で、学校近くで放射線測定器を用いて自然放射線の測定実習をしました。(その意図は聞いてません。当時の時期的なものだと思います。)

 まあ、これ、例の福島原発事故からかなり経った時期です。さらに、奈良県ですから、放射性セシウムなどの深刻な影響はほとんど無かった環境です。

 で、あれこれ、あっちこっち児童達と一緒に測定して学校付近を散策調査したんですが、これといった反応はありませんでした。つまり、自然界の放射線で、特に目立った現象は無かったんです。

 でも、ある場所で、放射線測定器の針が跳ね上がりました。

 そこは、山肌を小規模に切り崩しにした場所でした。何かの工事中だったのかな。

 これね、この切り崩した場所に放射性物質が堆積していた、とか、何か自然のウランなどの放射性物質があったとかいうことでは無いんですよ。

 実は、水晶、つまり石英を含んだ岩石や、土などに反応したんです。

 水晶は石英であり、この石英は地球上で最も広く存在する鉱物です。地球上の地殻を含む岩石圏で、最も多い元素は酸素で、次にケイ素と続きます。そして、これらは二酸化ケイ素(SiO2の鉱物・石のこと)として存在します。

 この石英は、水晶として単独の大きな結晶の状態で存在するのはその内のごく僅かで、多くは岩石に含まれていたり、土、砂などの状態で存在しています。砂漠、原野は石英でむき出しに覆われているわけです。

 砂を顕微鏡で観察すると、とても小さい透明な結晶も含まれているのが分かります。

 これらの石英は、何らかの外部からの環境影響(圧力や紫外線その他)で常に電磁波を発振しています。電磁波は放射線の一種です。

 まあ、だから、水晶玉や結晶体原石とか肌身離さず持っていたら、エレキバンほどでは無いにしろ、確かに電磁波の影響が無いわけでもないのかもね、ですね。まあ、高圧線(25000ボルト)鉄塔の真下に住むといったような状況に比べたら、影響は無いのも同じですが。

 練り水晶の罪作り

 で、問題なのは、このブームの悪影響なんですが、偽水晶玉問題。

 よく占い師のシーンで出てくるような大きな透明の水晶玉なんて、まあ、存在しないと思っていいです。ガラス玉です。

 ブラジルに行っても、あんな大きな透明部分がある原石なんてまず発掘できない。まあ、たまにはあるんでしょうが。

 で、水晶(ほとんどはガラスそのままの原料)を溶かして透明の玉にした『練り水晶(溶錬水晶)』なるものが多く店頭に並びます。

 これ、実際に水晶を溶かして製造したとしても、結晶構造は壊れていますから、ただのガラスです。石英ガラスということになります。成分自体は酸素とケイ素なんですが、結晶構造を持ちません。

 結晶構造を持たないということは、『圧電物質』ではないということです。電磁波の発振は生じません。つまり、練り水晶はまったくのインチキということになります。

 中には、製造段階で冷えきる前にわざと水晶の欠片を混ぜて偽のインクルージョンを入れた精巧なものもあります。内部に綺麗なレインボーがあるものなど注意しないといけません。

 わたしはこれまで、(大量に産出する水晶は、偽物作る方がコストがかかるから、まあ、偽物なんてまず無いだろう。)、とたかくくってましたが、実は油断ならなかったわけです。

 これらは、ネットショップなどではしばしば天然~とか書かれていて悪質です。(アリババとか特に文字通り、玉石混在。)まあ、東急ハンズでは大丈夫だと思います。

 結晶構造と非晶質

 結晶構造を持つことによって、鉱物は発振効果を持ちます。水晶の「圧電効果」に限らず、代表的なもの、例えばルビー、YAG(ヤグ)などによる『レーザー発振』です。

 ある意味、わたしは貴石は結晶構造が基本なんだなと思います。

 でも、結晶構造を持たない石も、実はいいのがあります。黒曜石(オブシディアン)とかで、中にはエメラルドグリーンの綺麗なものもあります。持ってます。

左から、ルビー、ビー玉、ガラス玉。この右端の大きなガラス玉5cmは中国製なんだけれど、上質です。気に入ってます。日本の代理店がガラスだとちゃんと明記していたのも好印象。

 

 結晶構造を持たない非晶質でも、レーザー発振は可能な物質もあります。(バリウムクラウンガラス・リン酸ガラス等)で、核融合の実験に用いられるほど高出力です。これらはまあ特殊。

 上の写真なんですが、ルビーで5cm玉造ると、真っ黒に見えます。ルビーの高品質とされる色、ピジョンブラッド色の赤だと濃すぎるんですね。で、ルビーで大玉造るときは、ルビーの品質を落とさざるを得ないようです。

 しかし、中国製なんですが、最近見直してます。『物づくり』の力は侮れない。偽物造りも含めて凄い技術。

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