これが雪下地です!
こんばんわ。瞳です。
我が師匠のマチェールの技法・「雪下地(ゆきしたじ)」なんですが、アクセスが多いので驚き。
これ、別に秘伝じゃなくて、先生、みんなに技法とか教えてしまってます。
先生は、我が母校・奈良教育大学の元・美術科教授です。二紀会の委員で、ご存じの方も多いと思います。
この写真はわたしの再現なんですが、まあ、「雪下地(ゆきしたじ)」とは大体こんな感じ。
例の自称作家先生も(「雪下地」をやっている。やっていた。)、とか言ってますが、全然駄目です。わたしのが直伝されたものです。
先生の許可とってませんので、詳しい技法は書きませんが、特に秘伝といったものではありません。
大まかな手順は、緑と赤の下地があって、その上にアクリルのモデリングペーストなどをコテで塗りまして、削り出すわけです。
わたしの場合は、女性特有の柔らかさが出ていて焼き物の志野焼とかの肌に近いです。
先生はグラインダー使って、初期の若い頃の作品には荒々しいほどではないにしろ、独自の雰囲気がありました。最近はやや穏やかな感じです。
夜中の大学研究室での貴重なはなし
この、わたしにとってマチェールの技法・「絵肌」に関しての重大なヒントになった話というのは、正確には、講義棟・大学院生室で、他の二・三人の院生達と一緒に話をしていたときだったんです。
これより深い意味合いとか、その他のいろいろなことは、夜中の大学で、いろいろ教えてもらっていたわけです。
偶然の奇跡
先生がマチェールというものの技法を発見・学んだのは、実は、母校の東京芸大の卒業年、大学院進学を控えた頃でした。卒業制作で壁にぶち当たり、いろいろ悩んでいた頃、指導教官から「君。こんなのじゃ。大学院は無理だよ。」とか言う意味のことを言われたそうです。
で、先生は、制作中の作品を一からやり直す決心をしました。
で、絵の具の剥離剤、(種類は分かりませんが、)これを制作中の絵につけたそうです。
パネルだったのか、白亜地だったのかキャンバスだったのか分かりません。
ただ、描き直すために、絵の具を落とそうとしたらしいです。
つけたというのは、塗布したのか、ぶっかけたのか、とか、その他どうしたのか具体的には分かりません。まあ、使い方がいい加減だったんですね。
実は、これが運命だったんですね。
先生が言うには、絵の具の剥離剤のちゃんとした使用方法を知らなかったそうです。
わたしも知りません。どんな絵だったのかも知りません。
で、結果。
絵の具は完全には剥離せず。思わぬ画面が出現しました。
マチェールです。思わぬマチェールが現れました。一気に学生の絵から、いきなりプロの絵が出現しました。(これは自体は、「雪下地」ではなくて、「雪下地」の元になったもの。)
わたし、「へ~、成る程。」とピンとくるものがありました。
これ、日曜画家の方々、誤解なさらないで欲しいのは、やたらめったら画面を厚盛りしたり、こねくり回したりすればいい、というものではないということです。
例えば絵の具は、混ぜれば混ぜるほど、色が濁って絵が駄目になってしまいます。同じように、やりすぎると絵肌は潰れます。
でも、いろいろやっているうちに、突然、出来上がるというか、計算外というか、一瞬、現れるんです。絵肌が。
この、手順、というか、感覚を覚えておいて、蓄積していくんです。