山で野良猫に逢った。
こんにちわ。どら猫ライダーみぃごろーです。
いつも生駒山系のとある峠を越えて通勤しているのですが、おとといの帰り道、頂上付近で何か黒いものが前を横切りました。一瞬例によってイタチだろう、と思ったのですが、猫の形をしているように感じました。
しかし、猫は有り得ないだろう。と思いました。
この峠道、ずっと前の記事に書いたようにイノシシや雉が当たり前のようにいます。噂によれば猿もいるそうです。
標高も結構あるようで、雨天時は雲の中になります。よって冬の寒さは猛烈で、数年おきに大雪が積もって「ここは本当に太平洋側の近畿地方なのか、」と思えるような光景もみられます。
昭和初期の写真には、八尾市の高安山でスキーをしている様子が写されていました。
昔は平均気温が今より低かったのでしょう。さすがに今ではスキーができるほどには雪はつもりませんが過酷な気候であることには違いがありません。
とてもじゃないが、猫が野良で生息できる状況ではありません。獣に襲われてしまうか凍死すると考えられます。
注意深くバイクの速度を緩めて接近します。そして、その動物の正体を確かめました。
なんと黒い一歳未満とみられる猫でした。イタチなら直に逃げます。でも猫は逃げません。森の木の近く、バイクから2m辺りでこちらを観ています。
猫は基本的に人間と共棲する動物なのでしょう。まるで飼い猫のように愛嬌のあるしぐさをしながら木の近くでこちらを眺めています。私もエンジンをかけたまま猫を観ています。
うまい具合に車はやってきません。この峠道、細くて崖の上なのに通勤の抜け道の車や農家の軽トラック、ダンプなどがいつもひっきりなしにいっぱい通ります。とても危険な場所で事故もよく見かけます。
「なんとまあ、危険な場所にいることか。」
ふとつれて帰れるかな、とか思います。
数分間ばかり猫を眺めながら考えます。その間も不思議と奇跡的に車は来ません。
この猫、つれて帰るとしても、バイクを降りて近づいたならおそらく逃げるだろうな。
でも意外にそのまま抱き上げることもできるかも。
「野生化しているから、マダニを持っているだろう。あとの消毒やらダニの駆除が大変だ。でもまあ、これは順序良く処理すれば問題は無い。それほど大変でもない。」
とかいろいろ考えます。
相変わらず不思議とまだ車は来ません。
「首尾よく連れてかえって、大人しく家猫になるだろうか。きっと大声で外へ出せと鳴くだろうな。トイレのしつけも大変だ。」
「家猫にしたら、20年は生きるだろうから、下手をすると私の方が先に死ぬかもしれない。」
悩ましい限りです。
猫はその間、木の幹で爪とぎをしたり、いろいろ遊んでいます。
ずっと眺めていると木の陰の方に回って行きました。
木の上に上ろうとしているようでした。
ゆっくり登っていく様子がちらちら見えます。
そのうちふっと見えなくなりました。それっきり姿は消えてしまいました。
ゆっくり私はバイクを発進させました。
不思議な猫でした。
今日もこのブログにお立ち寄りくださり、ありがとうございました。