タイヤが終わった、が分かること

おはようございます。ミーゴローです。

よく、モトGPでライダーのコメントにあるのが、「タイヤが終わってしまって、~」というのがあります。

いつも思うのは、モトGPライダーはすごいな。ということです。

 

普通、タイヤの寿命がきたと分かるのは滑ったときなわけです。主に、コーナー立ち上がりのパワースライドで分かるのでしょうがフロントの滑り出しのことも言っているようです。

フロントタイヤが滑ると転倒します。でも、彼らは少々滑っても転倒しないのです。

恐るべき反射神経なのでしょう。

 

放送でロッシがフロントが切れ込んだのを瞬時にリカバリーしたシーンをみました。

マルケスはモトGPデビューイヤーは「転んで限界を知るのだ。」と公言したようによく転んでいました。まあ、これはフロントの突っ込みでのスリップなのですが、しかし、最近はフロントのスリップでも転倒しないでリカバリーするシーンを観ます。

 

ロレンソはずでん!と転ぶことが多いですが、それでもタイヤの限界付近である程度フロントのスリップをコントロールしているようです。

 

タイヤの進歩・ダンピング特性の向上(過渡特性の獲得)

私個人の経験だけでいうのは語弊を招くのですが、私の場合は前後タイヤが滑ったと思ったときには転んでいました。

これは、RZ350RやNSR250に乗っていた時代のことなのですが、タイヤをダンロップにしてからフロントからのスリップにも対応できるようになりました。

 

ダンロップのタイヤは全般的にタイヤ剛性が高めで、バンクの最初にすーっと勝手にバンクする感じである程度バンクしたらぐうっ!と安定するという独自の癖がありました。

最初は戸惑うのですが、すぐに慣れました。

今のスクーター用のタイヤ、スクートがまさにこれです。

スクートに交換したときは非常に懐かしく感じました。

 

ダンロップの今のスポーツタイヤではα13がかつてのこの特性に近いといわれていますが、だいぶソフトになっていると感じます。

これも進歩なのでしょう。

 

このダンロップのいいところは過渡特性のよさ、です。いまではダンピング特性といいますが、

滑り出しの限界が把握できるのです。

 

私の腕でも前後タイヤのスライドを感知してコントロールできるのですよ。これには当時感動しました。

これはダンロップの個々の製品がどうのというより、ダンロップというメーカーの特徴なのです。

バイアスタイヤが一般だった頃からK300GP,からTT100GPなどに乗り継ぎました。

これらのタイヤに何度も危ないところを救われました。

今ではダンロップタイヤ以外が考えられません。

 

モトGPのタイヤ

最近思うのは、今のモトGPをはじめとするレーシングタイヤはこのダンピング特性をさらに高めて完成させているのではないかなと思います。

多分、単にグリップ力が強いだけなら、モトGPライダーでもぶっ飛ぶと思うのです。

 

素人ながら思うのは、マルケスがよくやるブレーキング時にリヤをスライドさせる乗り方。向きを変えるきっかけだと言われますが、タイヤのグリップ限界の感触を掴む意味もあるのではないでしょうか。

私などは、実はこれをよくやるのです。コーナーリング時ではなくて、タイヤのウォームアップ時にクラッチを握ってリヤブレーキだけかけて滑る滑らないの境界をコントロールしています。

 

本来はタイヤのウォームアップのためだったのですが、なぜか限界点を実感しておくと安心するのです。

 

それでも宮城さんによれば、RC213Vの試乗のとき、ブリジストンのソフトコンパウンドを履いていたら全くスライドさせられなかったといいます。

 

グリップ力が強大になり、かつそれのスライドをコントロールするというのはやはりモトGPライダーたちは異次元のテクニックの持ち主なのでしょう。

 

スケートに似ている

モトGPライダーたちが「タイヤがそろそろ終わりかな。」とタイヤの状態を把握できることなのですが、それと似ているものがあります。

スケートなのです。

 

スケートをやる方は分かると思います。スケートのコーナーリングの感覚は、大変二輪に似ています。

そして、ブレードのエッジがなまってくると、コーナーで滑り出すのです。

 

この場合、エッジが滑っても即転倒はしないのです。

 

スケートで片足状態で旋回しているのを傍から観ると、今にも「ずでん!」と転びそうに見えるのですが、実は結構安定しているんです。

当然横Gが大きくなるとスライドしますが、滑りながら均衡して安定するのです。

エッジのグリップ力がいきなりゼロになることはありません。丁度ダートトラックのような感じです。

 

エッジが研いだばかりでグリップのいいときは、オンロードのグリップコーナーリングと同じの感じです。

エッジは段々なまってきます。そうするとタイヤのライフが終わりに近づいているような状態で横滑りを始めます。

 

そうすると「ああ、エッジが終わったな。」、と感じるわけです。

この辺り、モトGPとちょっと似ている感じがします。

 

多分、モトGPのタイヤには、超ハイグリップの向こう側にはかなりのダンピング特性による過渡特性が用意されているのだと想像します。

 

今日もこのブログをお読みくださり、ありがとうございました。

 

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