地域猫の課題
こんにちわ。ミーゴローです。
前に毒入りちくわの事件を書きましたが、そのおり地域猫には無理があると書きました。しかし身近な例で、モデル例になるのではないかというのはあります。
奈良町(ならまち)というところがあります。興福寺の猿沢池からちょっと入った地域で世界遺産の元興寺旧境内に当たる地域です。
ここは、あまり一般の観光客には知られていなくて最近多い外国人観光客も入ってきません。餅飯殿(もちいどの)商店街というアーケードがあるのですがいつもいい意味で落ち着いていています。
ここでは、猫が住人達と古くから共棲しています。
6月には「にゃらまち ねこ祭り」も開催されています。
ここには猫が罠を仕掛けられたりなどの虐待はありません。街のひとたちが守っているからです。
ここの猫は頭をなでようとしても逃げます。人間にはなついていないようにみえます。一定の距離をおいているようです。
「猫にえさをやらないでください。」という張り紙もあります。
でも実はほとんどの猫はいわゆる地域猫ではなく、飼いネコなのだそうです。
飼い猫を安心して外飼できる環境なわけです。
これにヒントがあるのではないでしょうか。
地域猫の実際
私は毒入りちくわ事件は氷山の一角だと思っています。Wikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/地域猫)で調べますとそのあたりが記述されていました。
以下引用(歴史)
「地域猫活動は、1997年に神奈川県横浜市磯子区の住民が、野良猫を増やさないようにと共同で世話をするなどの運動を始めたことがきっかけで、全国的に広まった運動とされている。
現在では、自治体が補助金を支給するケースが増えているが、その一方で、餌やりを正当化する目的で地域猫を利用したり、自ら飼育できない猫を住民に押し付けるケースも報告されている。」
ということで、歴史は浅く、実際問題として周辺地域からの捨て猫問題や、猫嫌いのひとによる虐待事件も多いそうです。
また、禁止猟具や毒殺などの刑法犯罪も発生しているようです。
また同じくWikipedia(地域猫の効果)では、
「(保健所などにおける)猫の処分数が減った」と解答した行政は13.2%に過ぎなかった。」そうです。
特に殺処分に関してはこの10年間ほとんど減少がみられないとのことです。
(「犬猫の処分数の減少に向けて」http://www.alive-net.net/companion-animal/hikitori/syobun-gensyou.html)によれば、
「ALIVEの調査では、平成15年度の犬の殺処分数は164,200匹ですが、そのうち、子犬33%、成犬 67%となっています。
また猫の殺処分数は275,600匹で、そのうち子猫は81%、成猫は19%となっています。この子猫はまだ目も開かないような産まれたばかりのものが大多数と言われています。このことは、特に猫については、不妊去勢の周知徹底により、8割以上の殺処分をなくすることができることを意味します。飼育できずに殺処分ということに至る前に、飼い主のモラルの向上が強く望まれます。」
野良犬の減少と殺処分の減少に関しては戦前、戦後に狂犬病などの対策のため、行政が野良犬を積極的に補獲したためであることに留意しておく必要があります。
地域猫活動による野良猫の減少効果は確認されないとのことです。また、上記ALIVEにあるように不妊・去勢の周知徹底が必要であるにも関わらず、その実施は費用面などの要因から困難であることを示しています。
猫には飼い主が必要
さきの奈良町(ならまち)の例を出すまでもなく、猫の虐待や殺処分を防ぐには猫には飼い主が必要だということではないでしょうか。
今後の地域猫活動の必須課題は、「里親探し」であるということだとおもいます。
今日もこのブログをお読みくださり、ありがとうございました。
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