燃料タンクの位置

こんにちわ。ミーゴローです。

録画のモトGP第4戦スペインGPヘレスサーキットの録画を遅ればせながら観ました。

ロッシのポールトゥウィンという結果は知っていましたが、レース内容を初めて確認できました。

我らがロッシの走りですが、予想とは裏腹に完璧な強さでした。

 

私は多分、マルケス、ロレンソになにかトラブルが発生するなどして、その結果だったのではと懸念していたのですが、盤石の走りでした。

中年ライダーとは思えません。若きルーキーを圧倒して2位に3秒近い差をつけながら、チェッカー前から余裕のウイリーゴールでした。

やはり、ロッシは本当に凄い。

 

彼もついに導入した大型ウィングですが、そのメリットを生かす走法を獲得したのでしょう。

 

ミシュランタイヤのせいなのか、このウィングのせいなのか分かりませんが、以前から書いているようにマシンのバンク角が少ないです。

これはウィングによるコーナーリングテクニックである可能性があります。高速コーナーでダウンフォースが発生するなら、バンク角は浅めにしてライダーのハングオフをさらに大きくするのが効果的なはずです。

 

もし、そうならロッシのような大柄な選手は有利になります。ウィングのメリットを最大限生かせるライダーが今後有利になってくると思います。

 

解説の宮城さんですが、航空機にも詳しいのではないでしょうか。

ウィングの解説で、ボーイング747-400をいう言葉を使っておられました。ふつう、ジャンボ機とかいいますが、ダッシュ400まで言うのはかなり航空機通なのかなと思いました。

 

ウィングレット・翼端板の解説が非常によかったので驚きました。エアレースもご覧になっておられるようです。

揚力(ようりょく)という言葉なのですが、わたしの従兄と以前、新幹線が飛ばない話をしたときがあります。話が通じないのです。揚力という言葉の意味が分からなかったらしく「ああ、浮力のこと?」などと言います。

このように、普通は揚力と浮力を混同することが多いのですが、宮城さんはちゃんと揚力という用語を使っておられました。

 

その宮城さんの解説によれば、ウィングはブレーキング時にもやはり効果があるとのことでした。

残念ながら、コーナーリング時における影響への解説が無かったのですが、60度以上のバンク角で200km/h以上の速度となると必ず影響が有るはずです。

タイヤのグリップを上げるようにダウンフォースを利用するなら、バンク角は浅い方がいいはずなのです。

 

燃料タンクの位置

宮城さんの解説によれば、ヤマハYZR-M1にはリヤカウルに燃料給油口のあるタイプがあって、ロッシ、ロレンソ共に使用を見送っているとのことでした。

このタイプは燃料タンクをより後方に配置することによる、リヤ荷重の増加をねらう要素もあるとのことらしいです。

 

しかし、これを聞いて最初に思い出すのはホンダ’84 NSR500の失敗です。

 

’83年フレディ・スペンサーによってチャンピオンを獲得したホンダは、新鋭機としてNS500から、V4エンジンのNSR500を投入しました。

この’84 NSR500は走る実験室ともいえるホンダのトライが施されていました。

従来の燃料タンクを車体最下部に移動し、当時の主流設計思想の低重心設計にしたのです。チャンバーはエンジンの上に配置しタンクカバーで覆いました。

 

結果は散々で、もひとつ結果が出ない中、当時新素材だったカーボンホイールのリヤホイールが走行中粉砕し、スペンサーは大クラッシュをしてしまいました。

スペンサーはその後、昨年型のNS500に乗り換えて調子を取り戻しました。

 

燃料タンクというのは、燃料が減るに従って重心バランスが変わっていきます。

そのバランスの変化が少ない位置に配置するという考えなのでしょうが、今回のヤマハも効果はもひとつだったようです。

 

今日も、このブログをお読みくださり、ありがとうございました。

 

このページの先頭へ