新しい病院

こんにちは、ミーゴローです。

昨日も風邪の症状を抑えるために、パブロンを飲みながら仕事をしていました。パブロンばかり飲んでいるとやはり体に悪いのでしょうが、飲んでいないとぼーっとしてしまって作業がはかどりません。
それでもやっぱり薬を飲んでも一日中PCのモニターを見ているとめまいがしてきます。新しい病院

新しい病院で、私の顔を覗き込んで微笑みかけてくれた看護師さんは本当に女神に見えました。事故以来ようやく心が落ち着きました。

航空会社のCAさんや看護師さんの訓練された微笑みというのは、訓練されたものとはいえ実にプロフェッショナルでありがたいものです。心が窮地にあっては本当に救われるものだと思うのです。

この病院の看護師さんたちは微笑みを絶やしませんでした。

 

ベッドに固定されて動けませんでしたが、手鏡を使って病室の窓から風景を見ると、大学の近くの春日山が見えました。心底ほっとしました。

 

主治医は脊髄が無事であることを明言してくれました。ただし、石膏で胴体は長期間固定されることになりました。
脊髄は無事だというのですが毎日「足は痺れていないか。」と聞いてくるので、これは少々不安なことではありました。

 

体が拭けません。髪は毎日家族に洗ってもらっていましたが、胴体ギブスの中が痒くなって大変でした。

1mの竹の物差しに棉布を30cm程にちぎって巻きつけ、アルコールとキンカンを染込ませ、ギブスに差し込んでゴシゴシするのが日課になりました。

 

痛みはずっと続いていましたが、それ以上にやはり海苔巻状態でほとんど動けずにいると、段々精神的に参ってきます。
テレビを見ていても限界があるのでひたすら本を読むしかありません。京極夏彦のごつい本もすぐに読み切ってしまうし、これがまた内容がよくない。・・・箱に閉じ込められる話。

 

今度は舞台が奈良の内田康夫の「平城山(ならやま)を越えた女」を読み、自分に「今いつもの大学近くにいるのだ」と言い聞かせ、必死に精神の安定をはかりました。

 

そんなこんなで、長い長い入院生活の終わりが近くなった頃、胴体ギブスを外すことになりました。電気のこぎりみたいなので切っていくのですが、刃はないのでしょうが結構怖いものでした。

 

ギブスが外されました。
毎日、せっせとアルコールで拭いていたおかげで不思議とにおいはありません。
その代わり、不思議なものを見ました。B5サイズくらいの透明セロハンのようなものが何枚か重なった状態でぱらりと体からはがれてくるのです。
胸や背中から何組かはがれてきました。皮膚の角質なのですが垢というのは本来は透明なのか、と感心しました。

 

春日大社に飛火野(とびひの)という高原があります。そこに幹が空洞になった大きな木があります。いつも根っこに腰掛けてぼーっとしているお気に入りの場所なのです。退院したあとそこ行き、自由というものを実感しました。

 

今日もこのブログをお読みくださり、ありがとうございました。

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